子どもにiPhoneを持たせる家庭が増えている一方で、「知らないうちに高額課金されていた」「夜中までゲームをしていた」といったトラブルも後を絶ちません。本記事では、2026年1月時点での最新情報をもとに、子ども用iPhoneでよく起きるトラブルと、親が必ず確認・設定すべき項目をまとめました。
なお、iOSのバージョンアップにより設定画面や機能名称が変更される場合があります。最新の情報は必ずApple公式サポートサイト(https://support.apple.com/ja-jp)でもご確認ください。
子ども用iPhoneで実際に起きているトラブル事例
高額課金トラブル
国民生活センターによると、未成年者のオンラインゲーム課金トラブルは依然として相談件数が多い状況です。特に多いのが、親のパスワードを知らないうちに入力して課金してしまうケースや、指紋認証・顔認証を利用して簡単に決済できてしまうケースです。
ゲーム内の「ガチャ」や「アイテム購入」は、数百円から数千円単位で繰り返し課金できるため、気づいたときには数万円から数十万円の請求になっていることもあります。
使用時間の管理トラブル
夜遅くまでSNSやゲームに夢中になり、睡眠不足で学校生活に支障をきたすケースも増えています。特に寝室にスマートフォンを持ち込むことで、親の目が届かない時間帯の使用が問題となっています。
文部科学省の調査でも、スマートフォンの長時間使用と学力低下の相関関係が指摘されており、適切な使用時間の管理が重要とされています。
不適切なコンテンツへのアクセス
年齢制限のあるアプリのダウンロードや、不適切なウェブサイトへのアクセスも問題です。フィルタリング設定をしていない場合、子どもが意図せず有害なコンテンツに触れてしまう可能性があります。
総務省は「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」に基づき、18歳未満の子どもがスマートフォンを使用する際のフィルタリングサービス利用を推奨しています。
SNSトラブル・ネットいじめ
LINEやInstagram、TikTokなどのSNSを通じた人間関係のトラブルも深刻化しています。グループチャットでの仲間外れ、誹謗中傷の書き込み、個人情報の流出などが問題となっています。
位置情報の無断共有
SNSやゲームアプリで位置情報を共有する設定になっていることに気づかず、自宅や学校の場所が特定されてしまうリスクもあります。
親が必ず確認すべきiPhoneの基本設定
スクリーンタイムの設定方法
iPhoneには「スクリーンタイム」という機能が標準搭載されており、これを活用することで使用時間の制限やアプリの管理が可能です。
- 「設定」アプリを開く
- 「スクリーンタイム」をタップ
- 「スクリーンタイムをオンにする」をタップ
- 「これは子供用のiPhoneです」を選択
主な設定項目:
- 休止時間: 指定した時間帯はほぼすべてのアプリが使用できなくなります(電話や許可したアプリは除く)
- App使用時間の制限: カテゴリ別や個別アプリごとに1日の使用時間を制限できます
- 通信/通話の制限: 連絡できる相手を限定できます
- 常に許可: 休止時間中でも使用を許可するアプリを設定できます
設定には「スクリーンタイム・パスコード」を設定し、子どもが勝手に変更できないようにすることが重要です。このパスコードは通常のロック解除パスコードとは別のものです。
コンテンツとプライバシーの制限
- 「設定」→「スクリーンタイム」
- 「コンテンツとプライバシーの制限」をタップ
- 「コンテンツとプライバシーの制限」をオンにする
<重要な設定項目>
iTunesおよびApp Storeでの購入:
- 「インストール」を「許可しない」に設定すると、子どもが勝手にアプリをダウンロードできなくなります
- 「App内課金」を「許可しない」に設定すると、アプリ内での課金ができなくなります
- 「パスワードを要求」を「常に要求」に設定することも推奨されます
許可されたApp: 使用を許可するアプリを個別に選択できます。SafariやカメラなどのApp使用を制限することも可能です。
コンテンツ制限:
- 年齢制限のあるコンテンツのアクセス制限
- 映画、テレビ番組、アプリの年齢レーティング設定
- 露骨な表現を含むコンテンツの制限
Webコンテンツ:
- 「成人向けWebサイトを制限」を選択すると、不適切なサイトへのアクセスが制限されます
- 「許可されたWebサイトのみ」を選択すると、指定したサイト以外にアクセスできなくなります
位置情報サービスの管理
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」
- 「位置情報サービス」をタップ
各アプリごとに位置情報へのアクセス権限を「常に許可」「Appの使用中のみ許可」「次回確認」「許可しない」から選択できます。
子どもの安全確認のために「探す」アプリは許可しておき、SNSやゲームアプリは必要最小限に制限することを推奨します。
ファミリー共有の設定
Apple IDのファミリー共有機能を利用すると、保護者が子どものアカウントを管理できます。
主な機能:
- 承認と購入のリクエスト: 子どもがアプリや音楽を購入・ダウンロードする際に保護者の承認が必要になります
- 位置情報の共有: 家族の居場所を相互に確認できます
- スクリーンタイムのリモート管理: 保護者のデバイスから子どものスクリーンタイム設定を管理できます
- 保護者のiPhoneで「設定」→「ファミリー」をタップ
- 「メンバーを追加」から子どものApple IDを追加
- 13歳未満の場合は子ども用のApple IDを作成
よくあるトラブルへの対処法
高額課金を防ぐための設定
前述の「App内課金」を「許可しない」に設定することが最も確実な対策です。ただし、この設定をしていても以下の点に注意が必要です。
プリペイドカード・ギフトカードの管理: Apple Gift CardやGoogle Playカードを使った課金は、App内課金の制限をすり抜ける可能性があります。これらのカードの管理にも注意が必要です。
支払い方法の確認: 「設定」→「ユーザー名」→「支払いと配送先」から、登録されている支払い方法を定期的に確認しましょう。
クレジットカード情報の管理: Face IDやTouch IDで簡単に決済できてしまうため、パスワード入力を必須にする設定も検討してください。
もし高額課金が発生してしまった場合は、Appleのサポートに連絡し、状況を説明することで返金対応してもらえるケースもあります。ただし、すべてのケースで返金されるわけではないため、事前の設定が重要です。
使用時間を適切に管理する方法
スクリーンタイムの休止時間設定だけでなく、以下の対策も効果的です。
物理的な管理:
- 寝室へのスマートフォン持ち込み禁止ルールを設ける
- 充電場所をリビングなど親の目が届く場所に限定する
- 就寝1時間前からはデジタルデバイスを使わない習慣をつける
アプリごとの時間制限: 特に長時間使用しがちなゲームやSNSアプリには、個別に厳しめの時間制限を設定しましょう。
使用状況の定期的な確認: スクリーンタイムのレポート機能を使って、どのアプリをどれくらい使っているかを週1回程度確認し、子どもと一緒に振り返る時間を設けることも重要です。
フィルタリングサービスの活用
キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク等)が提供するフィルタリングサービスや、市販のペアレンタルコントロールアプリの利用も検討しましょう。
主なフィルタリングサービス:
- あんしんフィルター(ドコモ、au、ソフトバンク)
- i-フィルター
- ノートン ファミリー
これらのサービスは、iPhoneの標準機能よりも細かい設定やレポート機能が充実している場合があります。
ただし、フィルタリングを過度に厳しくしすぎると、学習や正当な情報収集にも支障をきたす可能性があるため、子どもの年齢や成熟度に応じて調整することが大切です。
SNSトラブルを防ぐための対策
アカウント設定の確認:
- プライバシー設定を「非公開アカウント」にする
- 知らない人からのメッセージを受け取らない設定にする
- 位置情報の共有をオフにする
- 投稿前に親が確認するルールを設ける
コミュニケーションルールの設定:
- 実名や学校名、住所などの個人情報は投稿しない
- 他人を傷つける投稿はしない
- 困ったことがあったらすぐに親に相談する
技術的な設定だけでなく、子どもとのコミュニケーションを通じて、SNSの適切な使い方やリスクについて理解してもらうことが重要です。
年齢別の推奨設定
小学生向けの設定
厳格な制限を推奨:
- 休止時間: 21時〜7時
- アプリのインストール: 親の承認制
- App内課金: 完全に不許可
- Webコンテンツ: 許可されたWebサイトのみ
- SNSアプリ: 原則不許可(必要に応じて親の監視下で使用)
中学生向けの設定
段階的に自由度を上げる:
- 休止時間: 22時〜6時
- アプリのインストール: 親の承認制(一部緩和可能)
- App内課金: 不許可または月額上限を設定
- Webコンテンツ: 成人向けWebサイトを制限
- SNSアプリ: 許可するがプライバシー設定を親が確認
高校生向けの設定
自己管理能力を育てる:
- 休止時間: 23時〜6時(本人と相談)
- アプリのインストール: 一定の自由を認める
- App内課金: 月額上限を設定し、お小遣いの範囲内で管理
- Webコンテンツ: 基本的な制限のみ
- SNSアプリ: 使用を許可するが定期的に使い方を確認
年齢に応じて段階的に制限を緩め、最終的には自己管理できるようにサポートすることが重要です。
設定後も定期的に確認すべきこと
iOSアップデート後の設定確認
iOSのアップデートにより、設定がリセットされたり、新機能が追加されたりすることがあります。アップデート後は必ず以下を確認してください。
- スクリーンタイムの設定が維持されているか
- コンテンツ制限が正しく機能しているか
- 新たに追加された機能に不適切な設定がないか
Apple公式サポート(https://support.apple.com/ja-jp)で最新のiOS情報を定期的に確認することをお勧めします。
子どもとの定期的な対話
技術的な設定だけでは完全にトラブルを防ぐことはできません。月1回程度、以下のようなテーマで子どもと話し合う時間を設けましょう。
- スマートフォンの使い方で困っていることはないか
- 嫌な思いをしたり、不安に感じたりすることはないか
- どんなアプリやゲームに興味があるか
- オンラインで知り合った人とのやり取りはあるか
信頼関係を築き、子どもが困ったときに相談しやすい環境を作ることが、最も重要なトラブル予防策です。
使用状況レポートの確認
スクリーンタイム機能のレポートを週1回程度確認し、以下をチェックしましょう。
- 1日の平均使用時間が長すぎないか
- 特定のアプリの使用時間が極端に長くないか
- 深夜帯の使用がないか
- 新しくインストールされたアプリはないか
異常な使用パターンが見られた場合は、子どもと話し合い、必要に応じて設定を見直してください。
まとめ
子ども用iPhoneのトラブルを防ぐには、適切な初期設定と継続的な管理が不可欠です。本記事で紹介した設定は2026年1月時点での情報に基づいていますが、iOSのバージョンアップにより変更される可能性があるため、Apple公式サポート(https://support.apple.com/ja-jp)や総務省の「インターネットトラブル事例集」(https://www.soumu.go.jp/)なども参考に、常に最新情報を確認することをお勧めします。
技術的な対策と併せて、子どもとのコミュニケーションを大切にし、デジタルリテラシーを育てることが、長期的なトラブル予防につながります。設定は「子どもを管理する」ためではなく、「子どもが安全にデジタル社会で成長するためのサポート」という視点で行いましょう。
何か不明な点や追加で確認したいことがあれば、Appleサポート、キャリアのカスタマーサポート、または消費生活センター(188番)に相談することも検討してください。























