スマートフォンで撮影した大切な写真や動画をどこに保存するか。iPhoneユーザーなら一度は「iCloud」と「Googleフォト」のどちらを使うべきか悩んだことがあるのではないでしょうか。
この記事では、最新の調査結果を基に、両サービスの根本的な違いから料金、機能、使い勝手まで徹底的に比較します。あなたに最適なサービスを見つけるお手伝いをします。
iCloudとGoogleフォトの基本的な違い
最も重要な違い:同期型 vs バックアップ型
両サービスの最大の違いは、その設計思想にあります。
iCloud写真:同期型サービス
iCloudは写真アプリそのものをクラウドに置く「同期型」のサービスです。iPhone、iPad、Macなど、すべてのAppleデバイス間で写真ライブラリが常に同じ状態に保たれます。
特徴:
- iPhoneで撮影した写真は自動的にすべてのデバイスに表示される
- 重要:端末から写真を削除すると、iCloudからも削除される
- デバイス間の一貫性が保たれる
- Apple製品との統合が非常にスムーズ
Googleフォト:バックアップ型サービス
Googleフォトは端末の写真アプリとは独立して動作する「バックアップ兼管理サービス」です。
特徴:
- 写真をクラウドにバックアップする
- 端末から削除してもGoogleフォト上には残る(設定による)
- 端末の空き容量を確保しやすい
- OS問わず利用できる
つまり、**Googleフォトは「メディアの倉庫」であり、iCloudは「iPhoneのクローン保管庫」**という違いがあります。
料金プランの比較(2025年最新版)
無料プラン
| サービス | 無料容量 | 注意点 |
|---|---|---|
| iCloud | 5GB | デバイスバックアップ、メール、写真などすべてを含む |
| Googleフォト | 15GB | Gmail、Googleドライブと共有 |
無料容量だけを見ると、Googleフォトの15GBの方が3倍お得に見えます。しかし、iCloudの5GBはデバイス全体のバックアップに使われるため、写真だけでなくアプリデータなども含まれます。一方、Googleの15GBも他のGoogleサービスと共有されるため、実際に使える容量は異なります。
有料プラン比較
iCloud+
- 50GB:月額130円
- 200GB:月額400円
- 2TB:月額1,300円
- 6TB:月額3,900円
- 12TB:月額7,900円
Google One
- 100GB:月額250円 / 年額2,500円
- 200GB:月額380円 / 年額3,800円
- 2TB:月額1,300円 / 年額13,000円
- 5TB:月額3,300円 / 年額34,800円
- 10TB:月額6,500円
- 20TB:月額13,000円
- 30TB:月額19,400円
コストパフォーマンスの比較
200GBプランで比較すると、Googleフォトの方がやや安価です。また、年額プランがあることも魅力です。ただし、Apple製品を複数使っている場合、iCloudは写真以外のデータも統合管理できるため、総合的なコストパフォーマンスは人によって異なります。
機能面での比較
1. 検索機能
Googleフォト:圧倒的に優秀
GoogleフォトはAIを活用した検索・整理機能が最大の強みです。
- キーワード検索で被写体やシーンを自動認識
- 「猫」「ラーメン」「海」などの自然言語で検索可能
- 人物、動物、風景、物体などを自動でタグ付け
- 過去10年分の写真から目的の写真を瞬時に発見
iCloud写真:基本的な検索
- 撮影日や位置情報に基づいた時系列表示
- 人物やシーン別に分類
- Googleフォトほどの柔軟性や精度はない
- プライバシー重視で端末上での処理が中心
2. 写真の整理と管理
Googleフォト
- AIによる自動分類
- スマートアルバムの自動作成
- クラウド上で写真編集が可能
- 幅広いオンライン編集ツール
iCloud写真
- 手動でアルバムを作成
- Apple純正の写真アプリで編集
- 基本的な編集機能(サイズ変更、フィルターなど)
- シンプルで直感的な操作
3. 共有機能
Googleフォト
- 個々の写真やアルバム全体を簡単に共有
- Googleアカウントを持っていれば誰でもアクセス可能
- 共有アルバムへの協力的な追加が容易
iCloud写真
- 共有アルバム機能あり
- Apple IDを持つユーザー間でのみ共有可能
- Apple製品ユーザー同士での利用が前提
4. バックアップ範囲
iCloud
- デバイス全体のバックアップが可能
- アプリのデータ、設定、ホーム画面の配置など
- 新しいiPhoneへの機種変更時にすべてを復元できる
- まさに「iPhoneのクローン」を作成
Googleフォト
- 写真と動画のみのバックアップ
- デバイスの設定やアプリデータは保存されない
- メディア専用のストレージサービス
デバイス対応とクロスプラットフォーム性
iCloud:Apple製品に最適化
対応デバイス:
- iPhone、iPad、Mac(ネイティブアプリ)
- Windows(Web版およびアプリ、機能制限あり)
- Android(Web版のみ、機能制限が大きい)
利便性:
- Apple製品間では完璧な統合
- WindowsやAndroidでは使いにくい
- Webブラウザ経由の利用は限定的
Googleフォト:真のクロスプラットフォーム
対応デバイス:
- Android(完全統合)
- iPhone、iPad(専用アプリ)
- Windows、Mac(ブラウザまたはアプリ)
- その他(Webブラウザがあればどこでも)
利便性:
- OSの壁を越えてどこからでもアクセス
- デバイスを変えても同じ体験
- 機種変更時のトラブルが少ない
どちらを選ぶべきか?利用シーン別の最適解
iCloudがおすすめな人
✅ iPhone、iPad、Macを複数台使っている「Apple信者」
- デバイス間のシームレスな連携を最優先したい
- iPhoneを丸ごとバックアップしたい
- 機種変更時に設定まで完全復元したい
- Appleのエコシステムを楽しみたい
✅ デバイス保護を最優先する人
- 万が一の紛失時に完全に元の状態に戻したい
- 写真だけでなくアプリデータも保存したい
Googleフォトがおすすめな人
✅ AndroidユーザーまたはWindowsPCユーザー
- クロスプラットフォームで利用したい
- 異なるOSのデバイスを使い分けている
✅ 写真管理・検索を重視する人
- 過去の写真を頻繁に検索して見返す
- AIによる自動整理を活用したい
- キーワード検索で素早く写真を見つけたい
✅ 端末の空き容量を増やしたい人
- クラウドに保存した写真を端末から削除したい
- ストレージ容量の少ないスマホを使っている
✅ 写真共有を頻繁に行う人
- 家族や友人とアルバムを共有する機会が多い
- Apple製品以外のユーザーとも共有したい
併用という選択肢:賢い使い分け術
実は、iCloudとGoogleフォトは併用することも可能です。それぞれの長所を活かした使い方があります。
併用のメリット
- バックアップの二重化
- 大切な写真を2つの異なるクラウドに保存
- データ消失のリスクを最小化
- どちらかのアカウントに問題が発生しても安心
- いいとこ取り
- iCloudでAppleデバイス間の同期
- Googleフォトで強力なAI検索を活用
- 例:撮影した写真はiCloudでMacとすぐに同期し、大量の写真の中から特定の思い出を探す時はGoogleフォトで「東京タワー」「犬」などで検索
併用の注意点
- コストの二重化
- 両方で有料プランに加入すると月額料金が二重にかかる
- どちらをメインにするか決め、片方は無料範囲で利用するのが賢い選択
- おすすめの併用パターン
- パターン1:iCloudを有料プラン(デバイス全体のバックアップ)+ Googleフォトは無料15GBで写真の予備バックアップ
- パターン2:Googleフォトを有料プラン(写真管理のメイン)+ iCloudは無料5GBで連絡先やメモの同期のみ
併用時の重要な注意事項
多くのユーザーが混乱するポイント:
- iCloud写真はデバイスと同期しているため、iPhoneで写真を削除するとiCloudからも削除される
- Googleフォトは独立したバックアップなので、一度バックアップすれば端末から削除してもクラウドに残る(設定による)
- Googleフォトから写真を削除しても、iPhoneの写真アプリやiCloudには影響しない(逆も同様)
2つのサービスの移行について
iCloud → Googleフォトへの移行
写真が数千枚、数万枚ある場合、移行は大変な作業になります。
移行方法:
- Google Takeoutを使って公式転送機能を利用
- PCに一度写真をダウンロードしてからGoogleフォトにアップロード
- 専用の転送サービスやソフトウェアを活用
注意点:
- 時間がかかる(大量の写真の場合)
- 一部のデータ形式がうまく引き継げないことがある
- 日付や位置情報の引き継ぎに注意が必要
まとめ:あなたに最適なサービスは?
結論:どちらが優れているかは利用スタイル次第
iCloudとGoogleフォトは、どちらが優れているというよりも、使用目的とデバイス環境によって最適解が異なるサービスです。
iCloudを選ぶべき人
- Apple製品を複数使い、シンプルに同期したい
- デバイス全体のバックアップを重視
- Appleのエコシステムに深く入り込んでいる
Googleフォトを選ぶべき人
- 検索や整理、共有を重視
- 端末に依存せず、どこからでもアクセスしたい
- クロスプラットフォームで利用したい
- 写真を探す頻度が高い
両方を併用すべき人
- 写真データの安全性を最優先にしたい
- それぞれの長所を活かした使い分けをしたい
- コスト面での負担を許容できる
最終的なアドバイス
この記事で解説した違いを理解した上で、まずは自分の写真管理スタイルを振り返ってみてください。
- 「写真をよく探す?」→ Googleフォトが有利
- 「Apple製品を複数使っている?」→ iCloudが便利
- 「デバイスを変えることがある?」→ Googleフォトが安全
- 「万が一の完全復元が必要?」→ iCloudが必須
どちらのサービスも素晴らしい機能を提供していますが、あなたのライフスタイルに合ったものを選ぶことが最も重要です。この記事が、その判断の助けになれば幸いです。
参考情報: この記事は2025年12月時点の情報を基に作成しています。料金プランやサービス内容は変更される可能性がありますので、最新情報は各社の公式サイトでご確認ください。






コメントを残す