確定申告の季節が近づくと、「e-Taxと紙、どっちで申告すればいいの?」と悩む方が多いのではないでしょうか。2025年現在、確定申告をする人の約7割がe-Taxを利用しており、もはやスタンダードな方法になっています。
本記事では、e-Tax(電子申告)と紙(書面申告)の違いを徹底比較し、それぞれのメリット・デメリット、どんな人にどちらが向いているのかを初心者にもわかりやすく解説します。
【2025年最新】確定申告の基本情報
まず、2025年の確定申告に関する最新情報を押さえておきましょう。
令和6年分(2024年分)の確定申告期間
- 提出期間:2025年2月17日(月)~3月17日(月)
- 納税期限:2025年3月17日(月)
2025年の主な変更点
- スマホ申告がさらに便利に:全ての所得税画面がスマホ対応
- Android端末で「スマホ用電子証明書」が利用可能に(iPhoneは2026年1月から対応予定)
- 紙申告の控えへの収受日付印が廃止に
- ID・パスワード方式の新規発行が2025年10月1日で停止
e-Tax(電子申告)とは?
e-Taxとは、国税庁が提供する国税電子申告・納税システムです。インターネットを通じて、自宅やオフィスから確定申告を完結できる仕組みです。
e-Taxの申告方法
- マイナンバーカード方式(推奨)
- ID・パスワード方式(2025年10月以降は新規発行停止)
利用できる環境
- パソコン(Windows/Mac)
- スマートフォン(iPhone/Android)
- タブレット
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」や、会計ソフト(freee、マネーフォワードなど)を使って申告データを作成し、そのままe-Taxで送信できます。
紙(書面申告)とは?
紙の確定申告は、従来からある方法です。確定申告書を印刷または入手し、手書きやパソコンで記入した書類を税務署に提出します。
紙の申告書の入手方法
- 国税庁ホームページからダウンロード
- 税務署で直接もらう
- 税務署に郵送で取り寄せる
- 確定申告会場で入手
提出方法
- 税務署窓口に持参
- 郵送(第一種郵便物または信書便物)
- 税務署の時間外収受箱に投函
e-Taxのメリット・デメリット
メリット
1. 自宅から24時間いつでも申告できる
税務署に行く必要がなく、確定申告期間中は24時間(メンテナンス時間除く)いつでも提出可能です。混雑した税務署で長時間待つストレスから解放されます。
2. 添付書類の提出を省略できる
e-Taxでは以下の書類の提出が不要になります(ただし5年間の保管義務あり):
- 医療費の領収書
- 社会保険料控除の証明書
- 生命保険料控除の証明書
- 地震保険料控除の証明書
- 寄附金控除の証明書(ふるさと納税など)
3. 還付金が早く振り込まれる
紙の申告では還付まで1~1.5ヶ月かかるところ、e-Taxなら23週間程度で処理されます。特に12月に還付申告をすれば、さらに早く受け取れることもあります。
4. 青色申告特別控除が最大65万円
青色申告者の場合、e-Taxで申告すると最大65万円の特別控除を受けられます。紙の申告では55万円が上限なので、10万円も控除額が増えるのは大きなメリットです。
所得税率20%の場合、この10万円の差で約3万円(所得税+住民税)の節税になります。
5. 訂正が簡単
申告期限内であれば、誤りに気づいた時にデータを再送信するだけで訂正申告が完了します。最後に送信したデータが有効になるため、追加の手続きは不要です。
6. マイナポータル連携で自動入力
マイナンバーカードがあれば、マイナポータルから控除証明書などのデータを一括取得し、申告書に自動入力できます。2024年分からは給与所得の源泉徴収票も対象になりました。
7. 1月上旬から提出可能
e-Taxは例年1月上旬から利用できるため、早めに申告を済ませたい方にも便利です。
デメリット
1. 事前準備が必要
初めてe-Taxを利用する場合、以下の準備が必要です:
- マイナンバーカードの取得
- ICカードリーダーまたはマイナンバーカード読取対応スマホ
- 利用者識別番号の取得(マイナンバーカードがあれば不要な場合も)
マイナンバーカードの取得には通常1~2ヶ月かかるため、早めの準備が重要です。
2. 操作に慣れるまで時間がかかる
初心者には、システムの操作方法や設定が分かりづらいと感じることがあります。ただし、会計ソフトを使えば、画面の案内に従うだけで比較的簡単に進められます。
3. インターネット環境が必要
安定したインターネット接続が必須です。接続が不安定だと送信エラーが起こる可能性があります。
紙の確定申告のメリット・デメリット
メリット
1. 事前準備が不要
特別な機器やマイナンバーカードがなくても申告できます。パソコンやスマートフォンの操作が苦手な方でも安心です。
2. 紙に書く感覚で分かりやすい
手書きで記入できるため、デジタル操作に不慣れな方には馴染みやすい方法です。
3. 税務署で直接相談できる
確定申告会場では、不明点をその場で職員に質問しながら申告書を作成できます。ただし、入場整理券が必要で、混雑により長時間待つこともあります。
デメリット
1. 青色申告特別控除が55万円まで
紙の申告では、青色申告特別控除の上限が55万円です。e-Taxと比べて10万円少なくなるため、所得によっては数万円の税金の差が生まれます。
2. 税務署に行く手間がかかる
窓口提出の場合、税務署まで行く必要があります。確定申告期間中は大変混雑するため、長時間待たされることも。郵送の場合も、切手代や郵送の手間がかかります。
3. 添付書類の準備が必要
各種控除証明書の原本を添付する必要があり、書類の整理や貼り付けに手間がかかります。
4. 還付が遅い
還付金を受け取るまでに1~1.5ヶ月程度かかります。
5. 収受日付印が廃止された
2025年1月から、紙の申告書控えへの収受日付印の押捺が廃止されました。提出の証明が必要な場合は、自分で提出日を記録・管理する必要があります。
6. 計算ミスのリスク
手書きの場合、計算ミスや記入ミスが発生しやすくなります。
比較表:e-Tax vs 紙の確定申告
| 項目 | e-Tax | 紙 |
|---|---|---|
| 提出方法 | インターネット送信 | 窓口持参・郵送 |
| 利用時間 | 24時間(申告期間中) | 税務署開庁時間のみ |
| 事前準備 | マイナンバーカードなど必要 | 特になし |
| 青色申告特別控除 | 最大65万円 | 最大55万円 |
| 添付書類 | 多くが提出省略可 | 原本の添付必要 |
| 還付金 | 2~3週間 | 1~1.5ヶ月 |
| 訂正 | 期限内なら簡単 | 再提出が必要 |
| 税務署に行く | 不要 | 窓口提出の場合は必要 |
| 計算ミス | 自動計算で少ない | 手書きだとリスクあり |
| マイナポータル連携 | 利用可 | 利用不可 |
どっちが楽?タイプ別おすすめ
e-Taxがおすすめな人
- 青色申告をする個人事業主・フリーランス:65万円控除のメリットが大きい
- 還付申告をする人:早く還付金を受け取りたい
- 忙しくて税務署に行けない人:自宅で24時間いつでも申告可能
- マイナンバーカードを持っている人:事前準備が比較的簡単
- 複数の収入源がある人:マイナポータル連携で入力が楽
- デジタル操作に抵抗がない人:スムーズに申告できる
紙がおすすめな人
- 初めての確定申告で不安が大きい人:税務署で直接相談したい
- パソコン・スマホ操作が苦手な人:紙に書く方が安心
- 白色申告で控除額の差が気にならない人:紙でも大きな損はない
- マイナンバーカードを持っていない人:カード取得に時間がかかる
- 医療費控除のみの会社員:還付額が少額なら紙でも十分
ただし、2025年10月以降はID・パスワード方式の新規発行が停止されるため、今後e-Taxを利用する場合はマイナンバーカードが実質必須になります。
初心者におすすめの申告方法
結論:会計ソフトを使ったe-Tax申告が最もおすすめ
初めての確定申告で不安がある方でも、以下の理由から会計ソフトを使ったe-Tax申告をおすすめします。
- 画面の指示に従うだけで簡単:「やよいの青色申告 オンライン」「freee会計」「マネーフォワード クラウド確定申告」などの会計ソフトは、質問に答えるだけで自動的に申告書を作成してくれます。
- 計算ミスがない:自動計算機能があるため、手書きのような計算ミスの心配がありません。
- 節税効果が高い:青色申告65万円控除を受けられるため、年間で数万円の節税になることも。
- チャットや電話サポートがある:有料プランでは、わからないことを専門家に質問できます。
- スマホでも申告可能:freeeやマネーフォワードはスマホアプリにも対応しており、スキマ時間に作業できます。
e-Tax申告の基本的な流れ
- マイナンバーカードを取得:お住まいの市区町村で申請(1~2ヶ月かかる)
- 会計ソフトに登録または国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用
- 収支を入力:銀行口座やクレジットカードと連携すれば自動取り込み可能
- 申告書を作成:質問に答えるだけで自動作成
- e-Taxで送信:マイナンバーカードをスマホで読み取って本人確認
- 納税または還付待ち
よくある質問
Q1. e-Taxは無料で使えますか?
A. e-Tax自体は無料です。ただし、会計ソフトを利用する場合は有料プランが必要になることがあります(初年度無料のサービスもあります)。
Q2. マイナンバーカードがないとe-Taxは使えませんか?
A. 2025年9月30日以前にID・パスワード方式の届出をした方は引き続き利用できますが、新規発行は停止されました。今後は実質的にマイナンバーカードが必要になります。
Q3. スマホだけでe-Tax申告できますか?
A. はい、可能です。2025年1月からは全ての所得税画面がスマホ対応になり、より使いやすくなりました。
Q4. 紙で申告した後、e-Taxに変更できますか?
A. 次回の確定申告からe-Taxに切り替えることができます。同一年分で途中から変更することはできません。
Q5. e-Taxで申告したら、すぐに書類を捨てていいですか?
A. いいえ。省略した添付書類も含め、5年間は保管義務があります。税務署から求められた場合は提出する必要があります。
まとめ:e-Taxと紙、どっちを選ぶべき?
確定申告の方法選びに迷ったら、以下のポイントで判断しましょう。
e-Taxを選ぶべき人
- 青色申告で節税したい
- 還付金を早く受け取りたい
- 税務署に行く時間がない
- 将来的にもe-Taxを使い続けたい
紙を選ぶべき人
- デジタル操作に強い抵抗がある
- 直接相談しながら申告したい
- 今年だけの確定申告で今後はしない予定
ただし、長期的に見るとe-Taxのメリットが圧倒的に大きいため、可能な限りe-Taxへの移行をおすすめします。特に青色申告をする個人事業主・フリーランスの方は、10万円の控除額の差が毎年積み重なるため、e-Tax一択と言えるでしょう。
2025年の確定申告では、新しいスマホ対応やマイナポータル連携の拡充により、e-Taxがさらに使いやすくなっています。初めての方も、この機会にぜひe-Taxにチャレンジしてみてください。
確定申告は毎年のことなので、一度e-Taxに慣れてしまえば、翌年からはもっとスムーズに申告できるようになりますよ。























