二段階認証は、アカウントのセキュリティを守るための重要な機能ですが、スマートフォンの機種変更や紛失、認証アプリの不具合などで「ログインできない」というトラブルに見舞われることがあります。この記事では、二段階認証が原因でログインできなくなった時の具体的な対処法を、初心者の方にもわかりやすく解説します。
二段階認証でログインできない主な原因
まず、なぜログインできなくなるのか、代表的な原因を確認しましょう。
1. スマートフォンの機種変更や紛失
機種変更の際に認証アプリの引き継ぎを忘れてしまったり、スマートフォンを紛失してしまうと、認証コードを受け取ることができなくなります。
2. 認証アプリの不具合
Google AuthenticatorやMicrosoft Authenticatorなどの認証アプリが正常に動作しないケースがあります。アプリの再起動やアップデートで解決することもあります。
3. SMS認証が届かない
電話番号を変更してしまった場合や、携帯会社の通信障害により、SMS認証コードが届かないことがあります。
4. デバイスの時刻設定のずれ
認証コードは時間ベースで生成されるため、デバイスの時刻がずれていると正しいコードが生成されず、認証に失敗します。
すぐに試せる対処法
対処法1:デバイスの時刻設定を確認する
認証アプリを使用している場合、最も多いトラブル原因の一つが時刻設定のずれです。
手順:
- スマートフォンの設定を開く
- 「日付と時刻」の設定を確認
- 「自動設定」をオンにする
- 認証アプリを再起動して、再度ログインを試みる
参考情報: Google Authenticator等の認証アプリは、端末の時刻が正しく設定されている必要があります。時刻設定を自動補正に設定することが推奨されています。
対処法2:認証アプリを再起動する
認証アプリが正しく動作していない可能性がある場合、一度アプリを閉じて、再度起動することで改善することがあります。
手順:
- 認証アプリを完全に終了する
- スマートフォンを再起動する(推奨)
- 認証アプリを再度開く
- 認証コードを確認してログインを試みる
対処法3:別の認証方法を試す
ログイン画面で「別の方法を試す」というリンクが表示されている場合、クリックすることで他の認証方法を選択できます。
利用可能な代替認証方法:
- SMS認証(電話番号宛にコードを送信)
- 予備の電話番号への音声通話
- メールアドレス宛の認証コード
- バックアップコード(後述)
バックアップコード(リカバリーコード)を使った復旧方法
バックアップコードは、二段階認証が使えなくなった時の最終手段として非常に重要です。
バックアップコードとは
バックアップコードは、2段階認証を利用している際に、スマートフォンなどで認証コードが受け取れない場合の「予備の認証コード」です。通常、二段階認証の設定時に10個程度のコードが発行されます。
バックアップコードの使い方
- ログイン画面でメールアドレスとパスワードを入力
- 二段階認証のコード入力画面で「別の方法を試す」をクリック
- 「バックアップコードを使用する」を選択
- 保存しておいたバックアップコードの中から未使用のものを1つ入力
- ログイン完了
重要な注意点:
- 各バックアップコードは1回だけ使用することができます
- 使用したコードは無効になるため、別のコードを次回使用する必要があります
- 新しいバックアップコードが作成されると、それまでのバックアップコードはすべて無効となります
バックアップコードの保管方法
バックアップコードは二段階認証の設定時に表示されますが、適切に保管していないと、いざという時に使えません。
推奨される保管方法(安全性の高い順):
- 紙またはUSBメモリーに記録し、貸金庫に保管する
- 紙またはUSBメモリーに記録し、鍵のかかった自宅の安全な場所に保管する
- 紙に書き留め、来客の目に留まったり写真に写ったりする可能性が低い場所に保管する
その他の保管方法:
- パスワードマネージャーに保存(暗号化された状態で保管)
- テキストファイルとしてダウンロードして、クラウドストレージの安全なフォルダに保存
- 印刷して金庫やファイルキャビネットに保管
避けるべき保管方法:
- スマートフォンのスクリーンショットやメモアプリ(端末紛失時に一緒に失われる)
- メールで自分宛に送信(ハッキングのリスク)
- デスクトップの目立つ場所に保存
サービス別の対処法
Googleアカウントの場合
Googleアカウントで二段階認証ができない場合の対処法です。
手順:
- Googleアカウントのログイン画面にアクセス
- メールアドレスとパスワードを入力
- 確認コード入力画面で「別の方法を試す」をクリック
- 利用可能な代替認証方法を選択
- それでも解決しない場合は「ヘルプを表示」をクリック
- アカウント復元プロセスを開始
アカウント復元に必要な情報:
- 登録している電話番号
- 再設定用のメールアドレス
- アカウント作成日や最後にログインした日時
- よく使用するデバイスの情報
注意点: セキュリティ強化のため、ユーザーの本人確認をGoogleが行うまでに3~5営業日かかることがあります。
参考情報: 最新の詳細情報は、Googleの公式サポートページ(https://support.google.com/accounts/answer/185834)でご確認ください。ただし、サポート内容は随時更新される可能性がありますので、必ず最新の情報をご自身でもご確認いただくことをお勧めします。
Microsoft Authenticatorの場合
Microsoft Authenticatorでログインできない場合の対処方法です。
個人用Microsoftアカウントの場合: Microsoftの「セキュリティ情報」ページにアクセスして、設定されている認証方法を削除・変更することができます。ただし、少なくとも一つの認証手段(SMS、メールなど)が使える状態でなければ操作を進めることはできません。
職場・学校のアカウントの場合: 職場や学校のアカウント(Azure ADアカウント)では、ユーザー個人が二段階認証を解除できるケースは限られています。多くの場合、組織の管理者権限が必要になるため、解除を希望する際はまずIT部門や管理者に相談しましょう。
参考情報: 詳細はMicrosoftの公式サポートページでご確認ください。組織のポリシーにより対処法が異なる場合がありますので、必ずご自身の環境に合わせた方法をご確認ください。
Meta(Facebook)広告アカウントの場合
以前はFacebookアプリのコードジェネレーターで認証コードを得る方法もありましたが、現在機能の廃止が進んでいるために今後利用できなくなってしまいます。
対処法: Meta広告を利用している方であれば、Metaビジネスヘルプセンターからサポートに連絡し、リカバリーコードの発行を依頼することができます。
手順:
- Metaビジネスヘルプセンターにアクセス
- 「スタートガイド」→「サポートに連絡」を選択
- 二段階認証ができなくなった理由を記入
- 「その他の問題」を選択して必要事項を記入
- サポートからの返信を待つ
参考情報: Metaのサポートページは随時更新されています。最新の手順はMeta公式ビジネスヘルプセンター(https://www.facebook.com/business/help)でご確認ください。
事前にできる予防策
二段階認証でログインできなくなるトラブルを防ぐために、以下の予防策を実施しましょう。
1. バックアップコードを必ず保存する
二段階認証を設定する際に表示されるバックアップコードは、必ず安全な場所に保存してください。印刷したり、パスワードマネージャーに保存したりすることをお勧めします。
2. 複数の認証方法を設定する
認証アプリだけでなく、SMSや予備の電話番号、メールアドレスなど、複数の認証方法を設定しておくことで、一つの方法が使えなくなっても別の方法でログインできます。
3. 機種変更前に認証アプリを引き継ぐ
スマートフォンを機種変更する前に、必ず認証アプリの引き継ぎ手順を実施してください。多くの認証アプリには、QRコードやクラウドバックアップを使った引き継ぎ機能が用意されています。
引き継ぎの基本手順:
- 旧端末でバックアップコードを確認・保存
- 新端末に認証アプリをインストール
- アカウントの引き継ぎ機能を使用、またはQRコードを再スキャン
- 正常に動作するか確認
4. 定期的にログイン確認をする
長期間ログインしていないサービスは、いざという時にログインできなくなるリスクがあります。定期的にログインして、認証方法が正常に機能しているか確認しましょう。
5. 信頼できるデバイスを登録する
多くのサービスでは、「このデバイスを信頼する」といった設定があります。自宅のパソコンなど、安全なデバイスを信頼できるデバイスとして登録しておくと、そのデバイスからのログイン時には二段階認証が省略される場合があります。
どうしてもログインできない場合の最終手段
上記の方法をすべて試してもログインできない場合は、各サービスのサポートに問い合わせる必要があります。
サポートへの問い合わせ方法
問い合わせ時に準備すべき情報:
- アカウントに登録したメールアドレス
- 電話番号(登録している場合)
- アカウント作成日
- 最後にログインした日時
- 過去に使用したパスワード
- 本人確認書類(場合によっては必要)
主要サービスのサポートページ:
- Google:https://support.google.com/accounts
- Microsoft:https://support.microsoft.com
- Amazon:https://www.amazon.co.jp/gp/help
- Meta:https://www.facebook.com/business/help
これらのサポートページは随時更新される可能性があります。必ず最新の情報をご自身でもご確認いただき、現在の状況に合った対処法をお試しください。
まとめ
二段階認証が原因でログインできなくなった場合、まずは以下の基本的な対処法を試してみましょう。
- デバイスの時刻設定を確認する
- 認証アプリを再起動する
- 別の認証方法(SMS、メールなど)を試す
- バックアップコードを使用する
- アカウント復元プロセスを利用する
そして最も重要なのは、トラブルが起きる前に予防策を講じておくことです。バックアップコードの保存、複数の認証方法の設定、機種変更時の適切な引き継ぎを行うことで、ログインできなくなるリスクを大幅に減らすことができます。
二段階認証は少し手間がかかりますが、アカウントの安全性を大幅に高める重要なセキュリティ機能です。この記事の対処法を参考に、安心してサービスを利用できるようにしましょう。
免責事項: この記事は2025年1月5日時点の情報に基づいて作成されています。各サービスの仕様やサポート内容は随時変更される可能性がありますので、実際に対処される際には、必ず各サービスの公式サポートページで最新の情報をご確認ください。また、本記事で紹介した方法を試される際は、自己責任でお願いいたします。
出典:
- Google アカウント ヘルプ(https://support.google.com/accounts)
- Microsoft サポート
- Meta ビジネスヘルプセンター
- 各種サービス公式ドキュメント
情報が古くなっている可能性や、ご利用のサービスによって対処法が異なる場合がありますので、必ずご自身でも最新情報をご確認いただくことを強くお勧めします。

























